離婚したあと、不動産の名義を変えるには?
離婚にともなって、家や土地の名義(所有者の名前)を元配偶者から自分の名義に変えたいときは、「財産分与による名義変更(登記)」という手続きが必要になります。
■ 手続きの流れ(ざっくり言うと)
- ふたりで話し合って「誰の名義にするか」を決める
- その内容をきちんと書面にまとめる(離婚協議書や財産分与契約書など)
- 法務局に名義変更の申請を出す
■ 主に必要な書類は…
- 不動産の名義変更内容を記した書類(協議書など)
- 不動産の登記簿の写し
- 固定資産税納税通知書(毎年届きます)または固定資産評価証明書(市役所でもらえます)
- 新しい名義になる人の住民票
- 今の名義人の印鑑証明書
- 権利証(登記識別情報) ← これがとても大切です! ※見当たらない場合も対応可能ですが、別途「本人確認情報」の作成などが必要になります。
■ お金はどのくらいかかる?
法務局に払う「登録免許税」は、不動産の評価額の0.2%が目安です。
(例)土地の評価が1,000万円なら、税金は約20万円。
■ よくあるご質問
- Q. 離婚届を出せば名義も自動で変わりますか?
→いいえ、名義変更は別の手続きが必要です。
- Q. 住宅ローンが残っている場合は?
→金融機関の承諾が必要です。この場合は「離婚前」に金融機関へ相談することをお勧めします。
理由としては・・・
- ① 名義変更には金融機関の同意が必要
住宅ローンが残っている家の名義を変更するには、ローンの借主が変わるか、担保の名義が変わる必要があります。
これは銀行にとって「担保条件が変わる」重大な変更なので、勝手に名義変更はできません。 - ② 離婚後だと話が複雑になりやすい
離婚が成立したあとに名義変更やローンの名義をどうするか決めようとしても、
相手と連絡が取れない感情的になって協議が進まない など、実務上とても大変になるケースが多いです。 - ③ 住宅ローンの借り換えや単独名義への切り替えが必要な場合も
例えば、妻が住み続ける場合に夫から名義を移すには、妻が新たにローンを借り直す(借り換え)必要があるケースも。
この審査や手続きも含め、時間がかかるので離婚前からの段取りが重要です。
✅ ローンがある家の名義変更は金融機関の承諾が必須
✅ できるだけ離婚前に話し合いと相談を進めるのがスムーズ
✅ 「誰が住む?」「誰が返済する?」「名義はどうする?」を明確にしてから離婚を
- Q. 権利証(登記識別情報)をなくしたら?
→本人確認情報を作って登記する方法もありますので、ご相談ください。
「どんな書類を書いたらいいの?」「自分たちでできるの?」と不安に思われたら、お気軽に司法書士までご相談ください。