「私がいなくなったあと、この子はどうなるのか」――そんな不安を抱えた飼い主さんに寄り添う、ペット信託の相談事例です。
はじめに:いつか来る「もしも」の日のことを考えたとき
「私がいなくなったら、この子はどうなるんだろう。」
70代の女性・Mさんは、小さな保護猫ミルクとふたり暮らしをしています。
毎朝「おはよう」と声をかけ、夜は布団の中で寄り添って眠る日々。
でも、最近少し体調を崩したことで、この子のこれからが心配になり、十色司法書士事務所にご相談に来られました。
相談内容:家族のように暮らしてきた猫の行く末を
Mさんには身寄りがなく、「もし自分に何かあったら、ミルクをどうしたらいいのか」と悩まれていました。
「施設に預けるのも違う気がして…でも、近所の方にずっとお願いするのも負担になると思うんです。」
Mさんの声はかすかに震えていました。
自分の死より、この子の未来が心配――そんな深い愛情が伝わってきました。
提案した方法:ペット信託という『仕組みの優しさ』
司法書士がご提案したのは、ペット信託。
Mさんが元気なうちに、「ミルクのお世話をしてくれる人(お世話人)」と「その費用を管理する人(受託者)」を決め、信託契約として正式に形にしておく方法です。
今回の設計内容
・お世話人:近所で猫好きな友人Kさん
・受託者:Mさんの信頼する甥
・信託財産:ミルクの生涯に必要な飼育費(120万円)
Mさんが亡くなった後は、甥がその資金を管理し、Kさんがミルクのお世話を続ける――そんな仕組みで守る優しさを整えました。
手続きを終えたあと:涙と笑顔が混ざる時間
契約書に署名を終えたあと、Mさんは静かにミルクを抱きしめました。
「これでようやく、この子に『大丈夫だよ』って言えますね。」
その言葉に、その場の空気がやわらかくなりました。
法律は冷たいものではなく、人の想いを形にする道具なんだと感じる瞬間です。
※本記事は、同様のご相談をもとに再構成したフィクションです。実在の方の事例ではありません。
司法書士より
ペット信託は、単に「お金を預ける契約」ではありません。
それは、命を安心につなぐ約束です。
誰かのために、そして愛する存在のために、できる準備を少しずつ始めていく。
そのお手伝いをするのが、私たちの役目です。
「この子の未来をちゃんと守りたい」――そんな想いを抱いたときが、はじめどきです。
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