「相続登記は自分でできる?」司法書士に頼まず、自分で手続きしたい

相続登記は自分でできる>?

「相続登記は自分でできる?」司法書士に頼まず、自分で手続きしたい

「相続登記って、司法書士さんに頼まなくても自分でできるんですよね?」

ご相談に来られた方から、こんな質問をいただきました。

最近はインターネットで調べれば、相続登記の申請書のひな形や必要書類についても簡単に確認できます。

「できるだけ費用をかけたくないので、自分でやってみたい。」

そう考える方も少なくありません。

実際、相続登記はご本人が自分で申請することができます。

では、どんな場合なら自分でできて、どんな場合には専門家に頼んだほうがよいのでしょうか。

目次

相続登記は「自分でできない手続き」ではありません

相続登記は、司法書士だけが申請できる手続きではありません。

必要な書類を集め、相続関係を確認し、申請書を作成して、管轄の法務局へ申請することで、ご自身で手続きをすることができます。

法務局でも、一定の範囲で登記手続についての案内を受けることができます。

ただし、

「自分でできる」ことと、「簡単にできる」ことは別の話です。

相続人が誰なのか、どの不動産を誰が相続するのかによって、必要な書類や手続きは変わってきます。

たとえば、こんなケースなら自分でできるかもしれません

今回ご相談いただいたケースでは、

・亡くなったのは父親
・相続人は子ども2人だけ
・相続人同士でもめていない
・不動産は自宅の土地と建物のみ
・遺産分割の内容もすでに決まっている
・不動産の登記内容も比較的シンプル

という状況でした。

このようなケースであれば、必要な戸籍などを集め、遺産分割協議書を作成し、登記申請書を作成して、ご自身で相続登記をすることも十分検討できます。

「司法書士に頼まないといけない」ということではありません。

ただし、「戸籍を集めるだけ」でも意外と大変

相続登記をご自身でされる場合、まず必要になるのが相続関係の確認です。

亡くなった方の出生から死亡までの戸籍を集め、相続人を確認します。

・結婚前の戸籍
・転籍前の戸籍
・古い除籍謄本
・認知や養子縁組に関する戸籍
・相続人自身の戸籍

など、複数の戸籍をたどる必要があります。

さらに、不動産についても、登記事項証明書などを確認し、土地・建物の所在地や地番、家屋番号などを正確に確認する必要があります。

「書類を集めて申請書を書けば終わり」と思って始めたものの、途中で分からなくなってしまい、司法書士へ相談される方もいらっしゃいます。

自分でやるか、司法書士に頼むか

相続登記を自分でするか、司法書士に依頼するか。

これは、どちらが正解というものではありません。

たとえば、

自分でやってみてもよいケース

・相続人が少ない
・相続人同士でもめていない
・不動産が少ない
・戸籍関係がシンプル
・時間をかけて書類を集めることができる
・多少分からないことがあっても、自分で調べながら進められる

一方で、

司法書士に相談したほうがよいケース

・相続人が多い
・前婚の子や認知した子などがいる
・相続人の中に亡くなっている方がいる
・何代にもわたって相続登記がされていない
・不動産が複数ある
・登記簿上の住所や氏名が現在と違う
・遺産分割の内容が複雑
・相続人同士で意見がまとまっていない
・自分で調べても必要書類がよく分からない

といったケースです。

特に、「昔の相続なのに、登記名義が祖父母のままになっている」というような場合は、現在の相続だけを考えればよいとは限りません。

そして、相続登記には「3年」という期限があります

令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務化されました。

相続によって不動産を取得したことを知った日から、原則として3年以内に相続登記を申請する必要があります。

正当な理由がないのに申請を怠った場合には、10万円以下の過料の対象となる可能性があります。

また、令和6年4月1日より前に発生した相続で、まだ相続登記をしていない場合も義務化の対象となっており、原則として令和9年3月31日までに申請する必要があります。

「まだ売る予定もないから、登記しなくてもいいかな」と放置するのはおすすめできません。

ご相談のあと:「まずは自分でやってみます」

今回のご相談者は、必要書類や手続きの流れをご説明すると、

「相続人も少ないですし、時間もあるので、まずは自分でやってみます。」

とおっしゃいました。

そして、

「途中で分からなくなったら、そのときはお願いします。」

と笑顔で帰られました。

私は、それでいいと思っています。

相続登記は、ご本人ができる手続きです。

だからこそ、「必ず司法書士に頼んでください」と言うのではなく、その方の状況に合わせて、自分でできるのか、専門家に任せたほうがよいのかを一緒に考えることも、司法書士の仕事だと思っています。

司法書士より

「相続登記、自分でできますか?」

このご質問は、よくいただきます。

答えは、「できます。」

ただし、相続人の人数や戸籍の状況、不動産の数、遺産分割の内容などによって、手続きの難しさは大きく変わります。

簡単なケースなら、ご自身で挑戦してみるのも一つの方法です。

一方で、

「戸籍を集めてみたけれど、これで全部なのかわからない」

「遺産分割協議書の書き方が不安」

「登記簿を見たら、亡くなった父の住所と違っている」

「何代も前から名義が変わっていない」

そんな場合には、早めに専門家へご相談ください。

「全部お願いする」だけが司法書士の利用方法ではありません。

まず相談して、必要なところだけサポートを受ける。

そんな利用の仕方もできます。

相続登記について「自分でやってみようかな」と思ったら、まずはお気軽にご相談ください。

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